ワイのリハメモ

ワイ(理学療法士)が日々勉強した事をメモるリハビリブログ。 文献抄読、読書感想文が主体。最近は興味深いと思ったことをメモってます。

カテゴリ:老年学 > 認知症

高齢化が進み、認知症を患った方が非常に多くなっている昨今。認知症老人の事故なども頻繁にニュースで取り上げられている。

そんな認知症、様々な種類があり中でもアルツハイマー型認知症の名前は医療関係者以外にも聞いたことがある人は多いのではないだろうか。

そんなアルツハイマー型認知症が、至って簡単な方法で早期発見できるかもしれないのだ。

というのが今回の記事です。


【ピーナッツバターテスト】
被験者の鼻にピーナッツバターを少しずつ近づけていく。匂いを感知した時の、鼻とピーナッツバターの距離を記録する。


なんとこのテスト、
アルツハイマーの方がやると、『左の』鼻のみ匂いを感知しづらいという結果が出たのだ。

認知症は、その型にもよるが脳の広範な萎縮により、様々な認知症状を呈する。
その中でも第一の脳神経である嗅神経(匂いを司る神経)は早期に障害される。

なので、認知症の人は、早期にピーナッツバターの匂いが感じとりにくくなる。

なぜ左か。それは不明だが、左鼻の嗅覚低下というのがアルツハイマー型認知症に特有の症状であり、左右の嗅覚に差がない人はアルツハイマー以外の認知症である場合が多いというのだ。

みなさんも、最近物忘れがひどいなぁ。と思ったらピーナッツバターの匂いを嗅いでみてはいかがだろうか。
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勉強会で教わったことのおさらい。
認知症を理解するには、9大法則と1原則が重要とのこと。


●法則
一:記憶障害の法則
話したり聞いた、行ったことも直後に忘れてしまう。
同じ行動を繰り返すのは毎回忘れてしまうため

二:症状の出現頻度の法則
より身近な者に対して認知症症状が強く出る。

三:自己有利の法則
自分にとって不利なことは認めない

四:まだら症状の法則
正常な部分と認知症の部分が混在する。
初期から末期まで通して見られる。

五:感情残像の法則
言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れるが
患者の中では残像の様に感情が残る

六:こだわりの法則
一つのことにいつまでもこだわる。
説得や否定はそれを助長する

七:作用・反作用の法則
認知症の人に対して強く対応すると、強い反応が返ってくる

八:認知症状の了解可能性に関する法則
認知症症状は、その人の立場になって考えると意図が見えてくる。

九:衰弱の進行に関する法則
認知症の人の老化速度は、そうでない人の3倍にもなる。


●一原則
介護に関する原則
認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。
その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする。


by杉山孝博先生


認知症の方の対応ってホント難しい。
自分が将来されたいと思える対応を、今向かい合ってる人にもしよう。

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